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Books一般書・研究書

書籍紹介

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イギリス文学・イギリス文化

諧謔の詩神
英国十八世紀のバーレスク詩を読む
著者 海老澤 豊
本書は十七世紀末から十八世紀前半にかけて英国で流行したバーレスク詩を読み解く試みである。バーレスクとは、叙事詩を思わせる高遠な文体で、些末な主題を歌うことにより、形式と内容の齟齬から生まれる「おかしみ」を狙うジャンルである。イギリスのバーレスク詩研究家ボンドによれば「ユーモアの本質は不調和にあり、それに模倣が加わると、結果としてバーレスクになる。バーレスクとは、文体と主題の間に不調和を生み出すことで滑稽なものとなった、生真面目な主題や手法を使用または模倣することで成り立つ。この形式と内容の不整合、語られることと語り口の対立こそ、バーレスクの必要条件である」と定義する。
判型・頁数 四六判上製・520頁
定価 本体5,000円+税
ISBN 978-4-7553-0435-4
出版年月 2023年1月

目次


第一部 バーレスクの源流
序 章 バーレスクの諸相
第一章 アディソンの「ピグミーと鶴の戦い」
第二章 パーネルの『蛙と鼠の戦い』
第三章 イタリアのバーレスク詩 
第四章 ボワローの『書見台』
第五章 ガースの『薬局』

第二部 嗜好品
第六章 フィリップスの「光り輝くシリング銀貨」
第七章 テイトとモットーの飲茶詩
第八章 フェントンとゲイの飲酒詩
第九章 ウィリアム・キングの『料理法』

第三部 ファッション
第十章 ポープの『髪の毛略奪』 
第十一章 ゲイの『扇』と『トリヴィア』
第十二章 ファッションと疑似英雄詩
第十三章 ブリヴァルとジェニンズの社交術

第四部 スポーツ
第十四章 アディソンとサマヴィルの「転球場」
第十五章 コンカネンの『フットボールの試合』
第十六章 マシスンの『ゴフ』 (ゴルフ)
第十七章 ホワイトヘッドの『ジムナジアッド』

第五部 スペンサー
第十八章 スペンサー風バーレスク詩
第十九章 シェンストンの『女教師』
第二十章 トムソンの『怠惰の城』

著者略歴

海老澤豊(えびさわ ゆたか)

1961 年東京都出身。立教大学大学院文学研究科英米文学専攻博士後期課程満期退学。文学博士。新潟産業大学人文学部助教授を経て、現在は駿河台大学法学部教授。


主要著作
(単著)『田園の詩神─十八世紀英国の農耕詩を読む』( 国文社、 2005年)、『頌歌の詩神─英国十八世紀中葉のオードを読む』( 国文社、2010 年)、『葦笛の詩神─英国十八世紀の牧歌を読む』( 国文社、2017 年) 他論文多数。
(共著)「ジョージ・キートの『 アルプス』 を読む」『緑の信管と緑の楽園 岩永弘人先生退職記念論集』( 音羽書房鶴見書店、 2021年)

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